ソンクラ−ン ソンクラ−ン 特別番外編  その1

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1−1

ソンクラーンまで1ヶ月を切ったある日、アジア雑貨王に1通のメールが届いた。
差出人はゴーゴータイとなっていた。そのメールは、雑貨王にガンガン送信されてくる様々なアジア雑貨商からの営業売り込みメールの山の中に、ひっそりと埋もれていた。

いけない、見逃してしまうところだった。テツロウは我に返ると、深煎りコーヒーの香気が立ち昇るベンジャロン焼のコーヒーカップを持ち直し、すかさず左ダブルクリックでメールを開けるのだった。

それはアジア雑貨王のサイト内にある『ソンクラーン ソンクラーン』に関する問い合わせのメールだった。
水かけ祭りを扱ったこのコーナーは最強の検索サイトgoogleでソンクラーンのキーワードを入れるだけで、最近何故か3000件近くのページから上位10位前後に表示されるようになってしまったのだ。
そのため、いつの間にかテツロウの知らないあらゆるパソコン上で多くの読者に楽しまれているようだった。
そう、、今現在も、、。



それは、少女の頃から9年間ソフトボールのピッチャーをやっていた人からのメールだった。投手ミナさんは電子メールをやらない人なので、ゴーゴータイさんという彼女の女友達が代わりに打ってきたのが冒頭のメールだった。そのメールに書かれた質問は、不特定多数の読者にとって重要でないので割愛するが、メールのやりとりを続けるうちにその女性投手ミナさんが2年前にソンクラ−ンの本場チェンマイで水かけ体験をしていることがわかった。

毎年4月中旬の水かけ祭りソンクラ−ンは日本人で体験できる人は少なく、タイを訪れる旅行者のうち一握りであること。更にその体験を文章にできる人は極めて限られてるのが現状です。写真にしても新聞記者が撮影したソンクラ−ンものばかりです。

そんな意味でミナさんのソンクラ−ン戦記は貴重であり、私のパソコンの受信トレイだけに入れておくのは残念に思いました。インターネット上に置いておいてソンクラ−ンに興味を持っている人に読んでもらった方が、私一人が読むよりどれだけ良いかわからない。掲載を打診すると、ミナさんは即座に快諾して下さり、今回こうして陽の目を見る機会を与えられました。





さぁ皆さん。そろそろ本題に入りましょう。以下が女性投手ミナさんが水かけ祭りの本場チェンマイでソンクラ−ンを体験したらどうなったかという顛末です。もともと投手ミナさんはこの文章を人前で発表するつもりで書いた訳ではありません。しかしながら、おそらくは多くの人に楽しんでもらえると私は思います。



女性投手から届いたメール

私は、一昨年の4月にチェンマイでソンクラ−ンを初体験しました。
チェンマイも初めてでしたが、早めにチェンマイ入りしてTATで情報を仕入れ準備しました。
ソンクラ−ンの季節は1年で最も暑い時期ですが、朝晩は涼しく、日中も湿度が低いので、過ごしやすい街だと思いました。

私は、小4から高校までソフトボールのピッチャーをしていました。
選手としては全然ダメでしたが、一般の女性に比べると足腰も丈夫だと思います。
チェンマイの旧市街地を取り囲む濠端環状線外回りを、水かけしながら徒歩で一周しました。
華奢に見えますが、投手をしていた(ソフトボールは下手投げ)ので、小さなバケツでの水かけには、威力があります。
補給基地(水入りドラム缶)があれば、私も結構、戦力になります。

チェンマイの地元の人たちは、みな親切でした。
飲料水、蘭の首飾り、バケツ、水鉄砲、耳栓などをいただきました。
お金は持っていたのですが、ビニール袋にくるんだ財布を出して濡らしたくなかったため、物売りの人に
「Sorry,I have no money.」と言っただけなのです。
ピックアップトラックの後ろにも、乗せてもらえました。

ファラン(注、タイ語で白人のこと)に耳を狙われた時にちょうど目の前に水が満タンになったドラム缶があったため、小バケツで反撃しました。
相手はたけやりを持った白人の大男でした。(注 竹やり型の長い棒状の水鉄砲。押し出し式なので、水圧はあるものの、単発式なのでさほど攻撃力は無い。かわした直後は逆に一気に反撃チャンスとなる。)

敵が10m先から狙ってきても、簡単によけられます。
ソフトボールのピッチャーは打球に襲われ、危険です。
それに比べれば、水をよけるのは簡単です。
でも、10m離れていれば、こちらの攻撃も水塊が分散して、攻撃の効果はありません。

敵は5mに近づいてきて、たけやりで照準を合わせてきます。
バケツを盾に使うつもりでしたが、鼻を狙って撃ってきた水塊は、バケツを使わずに簡単によけることができました。
そして、ドラム缶の水を使って、バケツで連続攻撃しました。
少し攻撃効果があったようで、敵は補給に戻りました。



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