ソンクラーン ミナンクラーン 冒険編 その8

ミナ
冒険編
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その21 最終回
番外 ソンクラーン美術館 予行演習 本編
ユキの国内
ずぶ濡れ修行
着衣泳T 着衣泳U 着衣泳V
幼稚園
阿波
ゾーブ遊び
主な登場人物

私--ミナ 元ソフトボール怪腕女性投手
 父の転勤で転校を繰り返したために、たくさんの種類の高校時代の制服を保有している コスプレ派 今回路上ディスコのお立ち台に引っ張り上げられる

夏が好き---40代日本人カメラマン。巨体の持ち主。
50歳くらいの日本人---テツロウの影武者。名前もテツロウではないのでニセモノか?

テツロウ---アジア雑貨王の店主。このサイトを作っている人間。30代横浜在住。
白人女性---お立ち台の上でミナと並んで踊る 安宿街カオサンの住人であることが濃厚な経済型旅行者。


私がちょっと落ちつくと、若者たちは再び粉を塗ろうとしてきました。 その瞬間、夏が好きさんが立ちあがり、巨体を使って私を守ってくれました。 巨体なのに、機敏(笑)な動きでした。 そして「危険なので、帰りましょうか?」と気配りしてくれます。 守ってもらったおかげで、かなり落ち着けました。 「せっかく来たので、もうちょっと行ってみます。」と私は答えました。 民主記念塔前のマクドナルドの所から裏通りへ入り、カオサン通りへ向かいました。 裏通りは空いていましたが、カオサン通りへ近づくと混雑がひどくなり、トレインにならないと進めなくなりました。

夏が好きさんの希望で、私が前になりました。 夏が好きさんは私の身体にはまったく触れませんが、私の真後ろからビデオカメラで撮影して、他人を私との間に入れさせません。 でも、私が前だと、周囲の人たちの攻撃が私に集中してしまいます。 カオサン通り東入り口のバーガーキングの前で、これ以上前に進めなくなりました。 前後を交代し、夏が好きさんが前になりました。 夏が好きさんは、「ミナさん、あまり狙われたくなかったら、僕の腰か肩に手を置いた方 がいいと思います。 カップルに見えた方が、狙われにくいと思います。」と言います。

試してみると、そのとおりです。 腰に手を置いているだけよりも、腰に手を回し身体を密着させた方が攻撃されません。 空中を白い粉が舞い飛び、四方八方あちこちから私の顔をめがけて手が伸びてくる最激戦地では、これを実行しないと絶対に通過できません。 少し俯き加減で、夏が好きさんの広い背中に額と鼻先を強く押し付けると、鼻の穴の前方 に数cmの空間ができます。 この空間のおかげで、鼻で息ができます。 目の前にも1cmほどの空間ができます。 この空間があるので、目を開けて左右の状況を確認できます。

目に粉が入りそうな時は、額と鼻先をさらに強く押しつけます。 すると、まぶた前方の空間がなくなり、額、まぶた、鼻先が夏が好きさんの背中に密着し ます。 これで、額や目に粉を塗られることから、完全に防御できるのです。 粉を塗られるのは頬や耳や後頭部なので、目に入ることがなく平気です。 水鉄砲は、主に胸を狙ってきます。 白のセーラー服なので、特に胸が狙われるのでしょうか? 服の上からなので、全然平気です。 氷水でも、お湯でも、泥水だって、別に気になりません。

ただ、氷水だけは、素肌を狙ってきます。 胸元のVゾーンや首筋から注いできます。 不意に大量に冷水を注ぎ込まれると、身体がキュンと反応してしまいます。 心臓付近に冷水を大量に注ぎ込まれると、身構えていても心臓がバクバクして止まりそうになります。 結局、夏が好きさんの後ろから腕を回して、身体を密着させた状態で、カオサン通りを前進しました。 カオサン通りの中間付近で、夏が好きさんが立ち止まり、「あの人です。」と指差しました。

その方向を見ると、セブンイレブンの前で50才くらいの男性が水かけしています。 地元の人のように見えます。 テツロウ様ではないようです。 「僕は、ここで見ています。」と夏が好きさんは言ってくれました。 私がゆっくりと男性に近づくと、“Where are you from?”と尋ねながら、胸元に水をかけてきました。 “From Japan.”と答えると、「日本の方ですか? どちらから?」と日本語で尋ねられました。 「大阪からです。」と答え、思いきって「テツロウさんですか?」と尋ねました。

「テツロウという人を捜しているのですか? 僕がテツロウだったら、抱きしめてくれますか? テツロウに改名してもいいですよ。」と笑っています。 「テツロウさんという男性を知りませんか?」とも尋ねましたが、「知らない。」とのことです。 「ここで、ゆっくりと休んでいきなさい。」と誘ってもらいました。 フルーツヨーグルトドリンクを飲みながら、夏が好きさんも一緒に3人で、しばらく雑談 しました。

量が多くて飲み干せないでいると、男性は「ちょっと味見させて。」と言って、私のドリ ンクを少量飲みました。 「これって、昔のフルーツ牛乳の味じゃありませんか?」と言って、夏が好きさんにも味見を勧めます。 夏が好きさんも、「銭湯で、風呂上りに飲んだ味ですねえ。 コーヒー牛乳も、昔は瓶入りでしたねえ。」などと、昔話に花を咲かせています。 男性が、「こんな綺麗な女性と間接キスもできたし…、もう死んでもいい。」と言えば、 夏が好きさんは、「さっきまでずっと、ミナさんに後ろから抱きしめてもらっていました。」などと、男性同士意味のない会話で、結構盛り上がっています。 盛り上がった雑談が一段落して、この男性と別れました。

夏が好きさんの巨体を後ろから抱きしめながら(笑)、今来た道を戻ります。 「苦しい時は、もっと強く抱きついてもいいです。」と夏が好きさんは言ってくれます。 強く抱きつく方が、鼻の穴に粉が入らないため、呼吸が楽にできます。 「強く抱きついても、しんどくないですか?」と尋ねると、「全然、平気です。 とても光栄です。 思いっきり抱き付いてもらった方が、幸せです。」とのことです。 夏が好きさんとの密着トレインで、比較的順調に前進していたのですが、大渋滞に巻き込まれてしまいました。

道端にお立ち台があり、タイのユーロビートが大音量で流されている「路上ディスコ」の場所です。 皆が立ち止まって見ているため、前に進めません。 どうせ進めないので、ちょっと踊っていくことにしました。 踊っているのは、10代から20才くらいの若者たちです。 女性の方が2対1の割合で多いです。 踊っている女性たちは、パンツ(ズボン)姿がほとんどです。 スカート姿はほとんどいません。 お立ち台のダンサーたちは、女性だけです。 踊っている若者たちの周囲の観衆は、男性の方が多いです。

お立ち台のダンサーや周りの若者たちを真似して踊っていると、だんだん群集に押されて お立ち台に近づいてきました。 路上ディスコの周辺では、粉はほとんど塗られません。 水が遠くから飛んでくるだけです。 曲が変わるごとに、踊っている若者たちは、興奮して大騒ぎします。 道路の真ん中で倒れて、痙攣している若者もいます。 しばらくお立ち台の近くで踊っていると、突然お立ち台に引っ張り上げられました。 周辺からは、拍手と歓声が上がりました。 突然の出来事で、ビックリしました。

踊るのは上手じゃないので、恥ずかしいです。 お立ち台の上の隣りのダンサーを真似て、一生懸命に踊りました。 舞台の上で注目を浴びた経験はありますが、注目されながら踊るのは生まれて初めての経験です。 お立ち台は意外と安定していて、下から見て予想していたよりも広かったです。 ちょっとしたステージのようです。 しばらくすると、ファラン(白人)女性も、盛大なる拍手とともにお立ち台に引き上げられました。

彼女は、金髪で目鼻立ちもくっきりした女優さんのような美人です。 なぜか、ピンクのドレスを着ています。 顔や髪の毛は白い粉で、真っ白です。 ドレスはほとんど濡れていないようですが、肩や胸の辺りは白い粉で汚れています。 彼女の踊りは私と同レベルだったので、ちょっと安心しました。 お立ち台に慣れてくると、少し快感も感じ始めました。 路上を埋め尽くす観衆の多くが、私たちの踊りを見つめています。 たくさんの人たちから、視線を浴びる快感です。


以上 文章提供 投手ミナ                          編集 テツロウ



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