ソンクラーン ソンクラーン 冒険編 その6

ミナ
冒険編
その2 その3 その4 その5 その6 その7 その8 その9 その10
その11 その12 その13 その14 その15 その16 その17 その18 その19 その20
その21 最終回
番外 ソンクラーン美術館 予行演習 本編
ユキの国内
ずぶ濡れ修行
着衣泳T 着衣泳U 着衣泳V
幼稚園
阿波
ゾーブ遊び
主な登場人物

私--元ソフトボール女性投手ミナ
 父の転勤で転校を繰り返したために、たくさんの種類の高校時代の制服を保有している。 コスプレ派  
アイ
---ミナさんの女友達、23才OL 今回ミナと別行動。ヤンの日本人妻と一緒にショッピングなど楽しむ

ヤン---中国人楊。バンコク定住。触るは、コケるは、謝るは、嘘つくは、今回は負の意味で大活躍。ハットトリックか?忙しかったです。
ヤンの奥さん---ヤンの日本人妻。
A子、B子、C君---ヤンの子供。上から中2、中1、小5。

夏が好き---40代日本人カメラマン。大阪在住。巨漢。ヤンの小細工で封じ込められ、ミナさんと合流できなかった。ちょっぴりホロ苦気分。


13日の夜は、パッポン1通りに特設ステージが設営され、ロックバンドの生演奏、チア リーディング、ミスソンクラ−ンコンテストなどが催されていました。 いろいろなバンドがライヴ演奏しましたが、ノリの良いユーロビートが演奏されると、 パッポン1通り全体が巨大なディスコになったようでした。 14日も朝の9時に、ヤンさん一家とホテルで待ち合わせしました。 アイは、ヤンさんの奥さんとマッサージ、ショッピング、カラオケを楽しむ予定です。 私は、ヤンさんと子供たち3人と一緒にカオサン方面へ出撃です。

私は、紺のスリーピーススーツ姿ですが、濡れても乾きやすい素材です。 私服ですが、OLの制服に似ています。 A子ちゃんは茶色、B子ちゃんは紫色のワンピース姿です。 ヤンさんとC君は、Tシャツ、短パン姿です。 トゥクトゥクで民主記念塔まで行きました。 朝早いので、ほとんど水かけをしていません。 時々、歩道から水が飛んできますが、ほとんど被害がありません。民主記念塔にお参りして、ラーチャダムヌーンクラン通りを歩いてカオサンへ向かいまし た。

A子ちゃん、B子ちゃんは背負いタンク付きのシャワー、ヤンさんとC君は圧縮ポンプの 水鉄砲を持っています。 私は、10cmほどの水鉄砲形風船をポケットに入れています。 水をかけてほしくなれば、風船を膨らませて構える予定です。 タナオ通りに入ると、朝なのに人でいっぱいです。 両側から水が飛んできます。 私のスーツは、表面が濡れて黒っぽく変色してきました。 白い粉を水で溶いた液の入った容器を持った人たちが、たくさんいます。 頬に白い粉の液を塗ろうとします。

最初に塗られる瞬間は緊張して、笑顔が引きつってしまいます。 白い粉の液を塗られた瞬間、ヒヤッと熱が奪われ、身体全体が涼しくなります。 バンコクに来るまで、この白い粉が大嫌いでした。 それが少し変化して、あまり嫌いではなくなりました。 白い粉が目に入ると、とても痛くて、目を開けられなくなります。 口に入っても、刺激が強いです。 正しく塗られるこつは、塗りたがって近づく人にまず笑顔で微笑むことです。

「イヤがらないから、優しく塗ってください」の意志表示です。 微笑みながら、軽く頷きます。 そして、塗りやすいように、顔を正面やや上方に向けて、顔全体を前に出します。 塗り終わるまでは、顔を動かしません。 正しく塗られたら、再び優しく微笑みます。 大勢の人から同時に塗られると、目に入りやいので、順番に並んでもらいます。 額に塗ろうとする人がいますが、毅然と拒絶します。 眉や額や前頭部に塗られると、水や汗で目に流れ込みます。

目に入ったり、眉や額に塗られた時は、きれいな水で顔を洗います。 前頭部に塗られた時は、水を頭からかぶりシャンプーします。 洗う水を持っていない時は、水を持っている人に「ワイ」します。 「ワイ」とは合掌のことで、会釈しながら敬意を込めて微笑みます。 地元の人にワイすると、間違いなく水を注いでもらえます。 男の人にワイすると、喜んでデレデレに表情が崩れてしまうので、おもしろいです。 洗い終えると、再びワイして「コープクンカー(ありがとう)」とお礼を言って微笑みます。 地元の人は「困っている人に親切なことをすることが大好き」です。 水が足らない場合、自腹で飲料水を買ってでも親切にしてくれます。

こういったことを繰り返していると、カオサン通りの入り口にさしかかった時には、び しょ濡れになりました。 カオサン通りに入ると、混雑が激しくなります。 縦一列のトレインを組まないと、前に進めなくなりました。 ヤンさんが先頭になってほしいのですが、ヤンさんは「ミナさんを後ろから守る。」と 言って、私の後ろを譲りません。 C君、私、ヤンさん、A子ちゃん、B子ちゃんの順のトレインになりました。 ヤンさんは、私の腰に手を置きます。 手つきがイヤらしく、お尻の方に降りてきます。

思いきって「腰に手を置かないでください。」とお願いしました。 手は肩に移動したのですが、私の肩を揉みます。 「肩がこっていますね。」と言いながら、首や背中まで揉みます。 気持ちが悪いです。 C君が先頭だと小柄なので、あまり前に進めません。 私が強くお願いして、ヤンさん、私、C君、A子ちゃん、B子ちゃんの順になりました。 C君は遠慮勝ちに私の腰の辺りに手を置いています。 自然な感じです。 ヤンさんは最初は普通に歩いていました。

しかし、少し混雑が緩和した辺りで、ヤンさんが私の方に向き直り後ろ向きに歩き始めました。 すると、ヤンさんが反対方向から来た人とぶつかり、突然私の方に倒れてきました。 私はヤンさんを支えようとしたのですが、ヤンさんが私に抱き付いてきたので支えきれず、仰向けに倒れてしまいました。 混雑しているカオサン通りの真ん中で、ヤンさんと抱き合って倒れたのです。 ヤンさんに抱き付かれたまま、のしかかられてしまいました。 すぐに起き上がりましたが、後頭部、背中、お尻はドロドロです。

A子ちゃんとB子ちゃんが、洗ってくれました。 さすがに、ヤンさんも平謝りです。 怒っていても仕方がないので、「並び方を私が決める」という条件で許してあげました。 C君は再び私の後ろを希望しました。 転倒の際にもC君は私の後ろから支えようとしてくれたので、ヤンさん、A子ちゃん、B子ちゃん、私、C君の順に決めました。 順調に前進できました。 水をかけられたり、頬に白い粉を塗られながら、楽しかったです。 C君は退屈すると、私のお尻や首筋をめがけて水鉄砲を撃ったり、何かイタズラもしているようですが、不快ではないので「マイペンライ」です。

カオサン通りの終点に近づいた時、突然ヤンさんが反転しました。 さっき倒れた時に、財布を落としたそうです。 その時、カオサン通りの終点の方から「ミナさ−ん!」と叫ぶ声が聞こえました。 夏が好きさんです。 ヤンさんに「夏が好きさんですよ!」と叫びましたが、ヤンさんは「財布!財布!」と 言って、逃げるように進みます。 私が夏が好きさんに手を振ると、夏が好きさんは走ってこようとしました。 夏が好きさんの荷物の蓋が開いて、フィルムなどが散乱しました。 夏が好きさんは、散乱した所持品をそのままにして、私の方に近づいてきました。

私はヤンさんに「止まってください」と大声でお願いしました。 しかし、ヤンさんは「C、早くきなさい!」とC君に命令します。 C君は私に「ごめんなさい。 お父さんが命令するから…」と言いながら、私の腰をヤンさんの方に押します。 私は夏が好きさんに「また、会いましょう!」と叫んで、バイバイの手振りをしました。 夏が好きさんは両手いっぱいの荷物を抱えていたので、追いかけるのは諦めたようです。 ガッカリした表情で、所持品の散乱した場所に戻っていきました。 夏が好きさんと一緒に落し物を探してあげるべきですが、私の別行動はヤンさんに迷惑になります。 私が夏が好きさんの方へ行くと、C君がヤンさんに「なぜ、行かせた」と怒られそうです。 結局、夏が好きさんを見捨ててしまいました。

ヤンさんたち3人に追いつくと、ヤンさんは上機嫌でした。 C君も怒られず、ホッとしているようです。 トレインを形成して、急いで先ほど転倒した場所に戻りました。 ヤンさんは周辺を見回して、「やっぱり落ちてない。 なくなっている。」と言います。 私が「ポケットをもう一度確認してください。」と言うと、「財布がポケットにありました。」とのことです。 ヤンさんは「夏が好きさんと合流したくなかった」のではないでしょうか? 昨夜のヤンさんの嫉妬を目撃しているので、疑ってしまいます。 私は「夏が好きさんのいた方向へ戻り、一緒に行動しましょう」と提案しましたが、ヤンさんに却下されました。

3人の子供たちは、ヤンさんに反対しません。 5人でトレインを形成して、最初に来た方向へ戻りました。 来た時よりも、混雑はひどくなっています。 特に道端にお立ち台を置いて、タイのユーロビートをガンガン流している場所は、周囲が ディスコ状態になっていて、地元の若者たちが踊り狂っています。 その周りを群集がたむろして、通行できる道路の半分以上が塞がった状態です。 トレインでもなかなか前に進めません。 私はちょっと踊っていきたかったのですが、却下されました。

この辺りは激戦区のため水が不足しているようで、あまり水かけをしていません。 C君の目に粉が入った時、C君が女の人に水をお願いしたのですが、水を少ししかかけてくれませんでした。 私が男性にワイをして、C君に水をかけてもらいましたが、渋々かけてくれた感じです。 店先では、水かけ用の水を空ペットボトルに詰めて売っていますが、在庫が少なくなって きています。 カオサン通りを歩く人たちは来た時よりも、粉で真っ白の人が多いようです。 やっとのことでカオサン通りの出口まで戻り、バーガーキングでハンバーガーを食べました。 この店は最近できたそうです。 カオサン通り東端の目立つ場所のため、若者たちの新しい待ち合わせスポットになっているそうです。


以上 文章提供 投手ミナさん  赤や青などの色づけ 編集 テツロウ



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