アジア一ツ星食堂

麺類 その2

ご飯もの その1 その2 その3 その4 その5
麺類 その1 その3 その4

アジア1ツ星食堂 簡易目次

混合特別麺  30バーツ

大きくわけて、タイで食べられるNoodle Soupは、タイ式のものと中国式のものとがある。タイ式のものは、具材にフィッシュボールやそれに類した練り物を使うことが多い。一方、具材にワンタンやチャーシューを使うのは、中国式。画像は中国式の麺屋台で注文したもの。ワンタン麺、チャーシュー麺といった日本でもおなじみの麺がこういった中国式の屋台では食べられている。
実はこの麺全く参考にならない。注文時に私がやたらと指示だしして、麺を自作してしまったからだ。したがってワンタン麺の原型が、ワンタン以外ここではほとんど残っていない。普通こういう具の混ぜ方はしない。一応悪例として紹介したい。タイの屋台、及び食堂では結構わがままが通ってしまう。

『センレック ナーム ひとつ。ワンタン入れて。つみれはこれ1種類ね。こっちはいらない。野菜も必ず入れてね。』
こんな感じで湯気の立つ鍋の前にいる料理人に直接オーダーする。

ワンタン麺やチャーシュー麺のスープは基本的には画像のような透き通った上湯(シャンタン)が多い。あっさりしていて薄味です。タイで食べるワンタン麺やチャーシュー麺には、かならず青々とした小松菜のおひたしが具として使われる。この青菜が無ければ、ワンタン麺やチャーシュー麺では無い。青菜の代わりにもやしが使われている画像の麺は、だから原型をとどめていない。

注文時に野菜を入れるよう私が言ったのは、この青菜のことを意味していたのだが、全く伝わっていなかったようだ。野菜入れてではなく、小松菜入れてと念を押すべきだった。混合麺というのは、私が勝手にここで名付けたもの。実際には混合麺という麺は無い。

ワンタン麺とかチャーシュー麺の麺屋台は、ガラスのショーケースにゆでる前のワンタンがあったり、表面が紅く色づいたチャーシューがぶらさけてあったりするので、見てそれとわかる。数はタイ式麺ほど多くはないものの、麺屋台数軒に一軒は中国式だ。作っているのは、純正の中国人ではなく、タイ人。けれどもバンコクにあるChina Townに行けば、華僑の三代目とかが作っていたりもする。漢字で叉焼麺二十五鉢、雲呑麺二十五鉢などと屋台にプレートを掲げてあったりして、こうなると、雰囲気はある。鉢は中国語でタイバーツのこと。

バンコクだったらチャイナタウン。ヤワラー通りがメインストリート、それと平行して走るシャロンクルン通りも合わせて、2本の長い通りに挟まれた区域がチャイナタウンの中心。この通りでは、それこそ日本人が食べても支払いのきつい高級中華レストランもあるけれど、海老、カニ、新鮮な貝類、天然記念物のカブトガニ(食べちゃダメ)から、サバやサーモンのおなじみのお魚まで、海鮮ものをリーズナブルな値段で楽しめる中級海鮮レストランも多い。自分で魚を指差して、焼くなり、蒸すなり、料理法を伝える方式で、いつも大勢のタイ人でごったがえして栄えている。

2本の通りでは屋台がびっしりと並び、ワンタン麺やチャーシュー麺はもちろん、ふかひれスープ(Shark finと屋台看板に英語表記も有。サメ怖いですか?)やツバメの巣(燕の巣)も屋台で食べることが可能。ワンタン麺のように安くはないが、それだって通常のレストランと比べれば、屋台は常に一番安く、庶民の味方だ。



センレック ヘン  スープ無し麺

一見すると炒麺のように見えるけれど、この麺は炒められてはいない。屋台のずん胴鍋から熱々の湯気を立てる上湯(シャンタン)で麺をゆがいて、湯切りをして、器に移したもの。だからあなたの目の前に出された時は、箸で麺を持ち上げると温かさが残っているはずです。タイの麺には、スープ有りとスープ無しがある。これはスープ無しの麺。日本にこういうタイプの麺は存在しない。またかなりの頻度で現地タイ人に食べられている割には、意外と日本では知られていない。

写真は中くらいの太さのセンレック。汁無しをヘン(hen)と呼ぶ。この料理名はセンレックの汁無しだから、センレック ヘンと注文することになる。きしめんのような太麺で汁無しなら、センヤイ ヘン、極細麺で汁無しなら、センミー ヘン。またこうした米から出来ているクイッティオでは無く、黄色い小麦麺を使った汁無しのラーメンを食べたい場合、バミー ヘンと注文出来る。

もりそば、冷やし中華などに外見は似ているものの、麺を冷やすということをタイではしない。『冷やす』という発想が無い訳ではない。タイ人はビールなどはキリキリに冷やすし、またデパート内やエアコンバスの車内はキンキンに冷やすのが、とても好きだ。

例外的にカノムチンというタイ北部の麺料理があるが、これはあらかじめ湯がいた後で放置した作り置きの麺であって、常温。放置して熱を冷ますことで、生ぬるい気温と同じ常温になっている。氷を使って積極的に冷やしているものではない。

何処で食べてもスープ無しの麺には、スプーン大さじ1杯の植物油がふりかけられて出てくる。これは麺のひっつき防止の為で、パスタに油をからめるのと同じ原理。これが文字通り潤滑油となって、食べるときには箸でかき混ぜるようにすると、麺の余熱が抜けて、食べやすい。

写真の麺の上にぐるりと回すように散らされた具は、タイ人が好んで食べる練り物のトッピング。それぞれ白身魚だったり、いわしのような青魚、またはエビや豆腐など原料に違いがあるため、多少味に微妙な違いがある。

初めてスープ無しの麺を食べる時はちょっとした違和感を感じるかも知れない。普段そこにあるものが無い何かが欠落している感覚。大部分の人にとっては、タイにいること自体が非日常なのだから、こういう欠落感覚も楽しみたい。体だけでなく、心も旅しよう。




センレック ナーム 2  30バーツ(大盛り5バーツ割増含む)

以前出たセンレック ナーム。今度は別の店で食べてみよう。ここの店の特徴は鶏ガラで出した塩系の透き通ったスープ。個性のあまり出ない似たり寄ったりのセンレック ナームではあるが、さりげなく、個性が感じられたのが、この店だった。まずフィッシュボールと肉のスライスが混在している点。普通は肉のスライスだったら、具にはフィッシュボールは入らないことが多い。

豚レバーが脇役で入っている。レバーというのは、成分が強力なのでそう沢山食べるものではない。含まれているビタミン、ミネラルを考えたら、焼き鳥なら、1本くらいが丁度良い。しかし焼き鳥屋でもレバー1本とはなかなか頼みづらいものだ。その点、この麺のように脇役で入っていれば、食べ過ぎることも無く、栄養バランスが格段に良くなる。

こんなに大量のネギが投入してあるのも、食感だけでなく、見た目が何より美しい。やはり口で味わう前に視覚で楽しめる美しい料理というのは、豊かな気分になれるので二重丸だ。写真の麺、載っている具は豚肉のスライスなどの他、豚レバー、しなちくもどきの中華漬物など、、。

暑いさなか、あっさり系のアジア麺。どこがいいという訳でもないが、気に入った。例えば、柔道などでも、1本取るような大技はないが、有効、効果などの小技をひとくくりにして、合わせ技で一本といったところ、、。どこに特徴があるのでもないけれど、全体的に良ろしいという人が人間にもいるものだ。あなたの周囲にいるはずのそんな人もまた、この麺と同様に、合わせ技一本の人なんだろう。

写真はテツロウが大盛りにしてと注文した。もともとタイの麺は日本のラーメンと比べると、本当に麺の量が半分以下、3分の1程度しかないので、初めて食べる人はあまりの少なさにショックを受けるかも知れない。まるで小人の国に迷い込んだ王子様やお姫様のように、、。あまり日本のラーメンを基準にして比べないほうが良い。既に日本からは鯨の泳いでいる海を隔てて、数千キロも離れている。そんな土地で出る麺が同じであるはずがない。
これはこういうものとしてそのまま解釈して、受け入れるのが、麺に限らず大事なことだと思う。




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