アジア一ツ星食堂


ごはんもの その2

ご飯もの その1 その3 その4 その5
麺類 その1 その2 その3 その4

アジア1ツ星食堂 簡易目次


タイにも日本食レストランはあります。10年前までは日本食を出すところと言えば、老舗の花屋をはじめ、数えるほどしかなかった。2000年を過ぎたあたりから、日本食屋が乱立し始め、現在飽和状態。タイではタブーだった日本食ビュッフェはおいしーが先陣を切り、タイ人に爆発的なブームを呼んだ。その後、ファミリーレストラン的なフランチャイズチェーン店の富士の参入で、タイ人の為の日本食が一種のステイタスとなり、タイにおける日本食は新時代を迎えている。

かつてタイ国内での日本食と言えば、駐在員や団体旅行者が食べるものでそれなりに値段の張るものであったが、ここ数年、中級レストランやはたまた安食堂も出現。ここは安宿街であるカオサンエリアに出来た初の日本食激安食堂、レックのラーメン屋。

正式にはレックさんのラーメン屋という屋号ではあるが、やはり商売で自分にさんづけするのは、冗談であっても間違いだと思うので、ここではレックのラーメン屋と紹介。他にカオサンでは竹亭が有名だが、ここは後発でレックよりさらに歴史は浅く、値段は寿司も食えるが、多少カオサンでは高めだ。ただし定食でライスのおかわりは無料らしいので、沢山食べれば得したか損したかわからないファジーな仕組みとなっている。

一方、レックの味は安食堂にしては、しっかりしていて美味しい。日本国内にあるその辺のラーメン屋に近い味を見事に再現出来ている。ただし流行のとんこつ醤油味のスープとかは無い。昔ながらの駅前の普通のラーメン屋の味。タイでは日本食の食材が限られているので、かなりの評点をつけても良いと思う。しっかり栄養も取れるので、下手なタイ料理を屋台で頼むより、レックのラーメン屋の方がコストパフォーマンスは高い。
レバニラ炒め定食 55バーツ

モツ系統は苦手な私だが、ニラレバ炒めだけは例外的に好きだ。豚レバーは食べやすいこともあるのだろう。力が無くなると、レバーを食べるとすぐに元気になる。ビタミンの宝庫であると共に、やはり鉄分のためだろうか?私は貧血で倒れた経験はないけれど、きっと何かの役に立っているのだろう。食べてすぐに結果が出るので、わかりやすい食物だと言える。

特にタイ滞在中は屋台連発になるので、ときどき炎天下で脳天焼かれて、疲れがたまっている時はちょっとカオサンに寄り、食べるのだった。ただしそうそう月に何度も行けるものでもない。そこで注文決定に一寸の迷いが生じる。この店には鶏の唐揚げ定食もあるのだ。ハンバーグ!アジフライ定食もある。中国風肉団子。さぁ、どうしよう。困ったことにこのレックの店は本来的にはラーメン屋である点だ。餃子は我慢できるのでよしとしても、各種ラーメンも食べておきたい。野菜のたっぷりのったタンメン、。

定食か、麺類か。こんな調子ではなかなかレバニラ炒めが食べられない。このレックのラーメン屋、客層はやはりカオサンの若者たちだ。私のようにわざわざ遠くからバスに乗って遠征してきてまで食べに来る人は少数派となっている。

レック氏はとても腰の低い人だ。昼下がりにスキンヘッドで遅い朝食を取りに来るピアス君にも、丁寧に深く頭を下げている。安いチャンビア(=象のマークでおなじみのタイで一番安いビール。爆発ヒットでリオビアと競っている。)を飲んでやたら騒ぐ卒業旅行の学生軍団。ぼろぼろに破れの目立つ週間ポストを熱心に読みふけるエネルギッシュな細身の青年。

ある日、私の隣のテーブルについた3人組の男女からは、ハングルが聞こえてきた。世界各国の旅人が集うカオサンならではの光景かもしれない。写真入りのメニューがあるため、場所がら白人もよく来る。好奇心旺盛なドイツ人、イギリス人、オランダ人あたりでヨーロッパ組の白人が多い。だがさすがに黒人がレックの店でラーメンをすすっている場面には出くわしたことがない。イスラエル人ならありうるが、黒人同様にインド人もまた保守的なので、在日5年とか10年の親日家は別として常識的にはないだろう。

そう言えば、この店の付近にトラベラーズロッジという日本人宿がいつのまにやら営業し、そこでも日本食が食べられるようだ。カオサン区域という小さな世界でも、以前バンコクで起こった同じことが起きている。今は数軒の日本食屋も、10年後には乱立状態になり、しまいには回転寿司屋まで出来そうな勢いだ。


 レックのラーメン屋 移転 ついにカオサン脱出へ 2003年3月13日

もともとこの店はカオサン通りから裏道に抜ける道があり、比較的便利な場所で開業した。カオサンの裏を走るランブトリー通りにあった。当時チャイナタウンの常宿が破産し、閉鎖されたため、ところてん式に押し出され、不本意ながらカオサンの安ゲストハウスにいた私は、いかがわしい日本食をちょっとした贅沢として、B級グルメ的に食していた。ボリュームを出すために、軟骨部分まで微妙に入っている55バーツの鳥唐揚げ定食や中々イケるアジフライ定食、ハンバーグ定食などをよく食べた。

それがほどなくして、チャクラポン通りに店舗を移転した。店の住所が変わっただけで、従業員はそのまま移った。カオサンの通りを出て、わずか徒歩30秒のチャクラポン通りに新店舗は開店した。カオサンの中央から見れば、前の店舗と比べそれでも遠くなっている。場所は奥まったどん詰まり、好きものでないと見つけられないような行き止まりにあり、以前あったエレベーターも、この新店舗では階段となっていた。上に掲載した画像は、当時の店のものだ。

そして2003年3月中旬、ぽっかり空き時間の出来たテツロウは、レックのラーメン屋に足を延ばした。卒業した学校を訪ねる卒業生のような心境、ちょっと懐かしい。しかし、、、。店のシャッターは下ろされ、ピンクラオに移った旨の張り紙が空しく貼られていた。バスで10分強、とても歩いていける距離ではない。何でまたそんなに遠くに、、。これではカオサンの貧乏旅行者がちょっと次いでに立ち寄れる場所ではない。

そこから、テツロウの頭にある疑惑が浮かんだ。これはあくまで、疑念の域を出ない。それは、、レック氏は実は、『くどくて要求が多く、喧嘩早くて貧乏で、騒ぎ、マナーが大変悪く、女の人も筋金入りで、ラーメン一杯で滞在時間のやたらと長いカオサン在住の日本人を嫌いなのではないか』という仮説だ。そうでなければ、何故そう頻繁に店舗を変える必要などあるのだろうか。

しかも、だんだんカオサン中心から遠くなっている。最初の店舗はカオサン中心点から50メートル強で、次が100メートルちょっと、そして今回の移転はカオサンから数キロも離れている。次回の移転がカオサン中心から、半径10キロ以内に無かったら、もう間違いないと私は睨んでいる。レック氏は、少しずつわからないように店を移動させていき、10年後にはタイ=マレーシア国境のスンガイコロクとかで営業しているかも知れない。私たちが油断しているうちに、転々と店を移転し、気づいた時にはカオサン住人は行けないような遠くの地方で営業している可能性もある。

そんな意味では、さすらいの旅人であるバックパッカー相手に日本食を提供してきたレック氏もまた、ある意味で、一介の流浪の旅人なのかもしれない。



中華風野菜炒め+鶏のショウガ炒め 25バーツ

アパート近くの安食堂に寄り、テイクアウトで弁当となった。自室に入り、暑い中を歩いてきたため、飲み物はやはり冷たいもの、ペプシMAXというノンカロリーのものを冷蔵庫より取り出した。
開けてみると、おかずの盛りがかなり良いので、驚いた。ぶっかけの盛りは、住宅街の食堂であるほどよくなる。毎日、お客と長いつきあいをしていかなければ、いけないからだ。逆にバスターミナルや駅前の食堂などは総じてまずいことが多い。一般的にこういった傾向がある。

ほかには繁華街は場所代が高いから、盛りはセコイかというとそうでもない。ビジネス街はなぜか盛りが良く、おいしい所が多い。理由はわからないが、何故かそんなことが多い。激しい競争があるわけでもないのに、これは好ましいことだと言える。

写真は左半分を覆っているのが、中華風野菜炒め。これは辛くないので、辛いのダメの人は避難メニューとして押さえておきたい。ぶっかけ屋にかなりの確率である代表的なおかず。もやしを中心ににんじん、タイねぎなどに、中国豆腐が炒められている。タイにある中国豆腐は表面が黄色い色をしている。その黄色い表面に食紅などで赤い漢字のスタンプが大きく押してある。縁起の良い文字なのだろうか?食感は日本の木綿豆腐よりも固くて締まっている。包丁で切る時に、まず型崩れしない固さなので、料理はしやすい。

おかずのもう1つはおなじみの鶏のショウガ炒め。この店では玉ねぎを加えてある。





タイ式海老炒飯  カオパット クン 20バーツ
チャーハンです。タイという国、いついかなる時でもチャーハンが食べられています。日本人も世界レベルで見たら、炒飯の消費量は多いと思います。がタイ人はその数倍チャーハンを食べています。日本の場合、主な消費は男性で、女性はあまりチャーハンを積極的に好むものでもないが、タイの場合、老若男女を問わず消費されている。

粘りのあるジャポニカ米とバサバサのインディカ米の性質の違いがあろうかとも思う。確かに一般に指摘されているように、バサバサのタイ米を炒めてもサラリと仕上がり、植物油との相性は良い。メニューでも普通一番上に書かれてあることが多い。チャーハンのメニュー上のステイタスはだから日本より高い。言うなれば、蕎麦屋のもりそばのようなもの。もりそばを作れない蕎麦屋は存在しない。タイ国内、中華鍋の黒いフライパンを商売用具としている食堂で、チャーハンを作れない店や屋台はまずない。ただし、麺類専門店はこの限りではない。

写真は海老のチャーハン。ほかに豚、鶏、牛の計4種類がタイの街中で食べられているチャーハンです。屋台でも大抵4種類が注文可能であるが、海老に限っては、時折あつかって無いと言われることもある。現地語でチャーハンはカオパッド(kao phad)と言い、形容詞はフランス語のように後ろからかかるので、海老のチャーハンはカオパッド クンと注文します。海老はkhunです。タイ人は海老好きで、海老の消費量も群を抜いている。

豚はムー、鶏はガイ、牛はヌアです。これらのうち1つをカオパッドの後ろにつけて言えば、簡単に注文できます。後は1人なら、指一本を立てれば向こうもわかってくれます。何もタイ語が出来ない旅行者とは言え、屋台で食べられないことはないのです。道端にテーブルを並べた屋台で食べてみたいけど、、という好奇心の強いあなた!是非1回チャレンジしてみると、楽しい思い出になるかも知れません。




ニラレバ炒め+中華野菜炒め 20バーツ

右がレバニラ炒め。タイ風の味になっているのは、醤油の代わりにナムプラ(魚醤油)を使っているため。これも慣れれば結構いける。もう片方の左は、ありあわせの野菜を適当に炒めたといった感じ。細い茎のようなものは、にんにくの芽。キャベツ、豚スライス、ベビーコーン。

赤いものが2つ混じっているが、これは大唐辛子。体だけでかくて、辛味は飛んでしまってあまりないため、見掛け倒しの唐辛子だ。ただし、なめてかかっていると、時折当たりが出るのは、日本のししとうに似ている。




イカの白カレー+中華肉野菜炒め 25バーツ

オフィス街にあるやたら回転の良い安食堂でぶっかけごはんの2種類がけ。ごはんの型押しがなんとも可愛いので、私は好きだ。右半分は定番の肉野菜炒め。もやしに中国豆腐、タイねぎを炒めてある。この組み合わせは本当にどこでも見るので、実際入った食堂にある可能性も高い。並んだおかずからちょっとさがしてみて欲しい。誰でも食べられる無難な一品である。

左半分のホワイトカレーは鶏が基本形ではあるが、鶏の代わりにイカを使った変化形。この食堂は私が初めてタイの白カレーを食べて、その味に衝撃を受けた店でもある。ココナッツをベースにした白カレーというのは、一見とてもマズそうに見えるので、あえて食べることはなく私の前を何年も通過し続けていた。

ある日、ふとした偶然でトッピングの1つに白カレーを選んでしまった。私の慎重な性格からすれば、どう考えてもこれを選ぶはずはないのであるが、その時は何故かそれを指差してしまった。私と白カレー。あのショッキングな出会いを与えてくれたこの食堂に感謝している。

以来心が軽い時は、2種類のトッピングのうち1種類はなるべく冒険するようにしている。そういう時は、大体決まって予想された域を出ない、やっぱりそうか的な味になってはいる。なかなか白カレーの時のようなトキメキは得られないものだと思う。



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